当社(あき電器株式会社)は小型水力発電機の開発企業として、新しい取り組みを模索し、低炭素社会実現に向けた活動など、環境に配慮した経営を推進している。その中で環境負荷低減技術の実用化をめざしてきた。小水量・低流速という過酷な条件下で、小水力発電の可能性を探ってきた。水深の浅い水路、流速の遅い水路、流量の少ない水路では、これまで発電がむずかしいとされてきた。 また、発電量が少なくても防災のための河川の水位計測データやリアルタイム動画を観測所に送信でき、山間部の雨量など気象観測データ送信を行う電力として利用するなど、その用途は十分にある。
発電機は当初、弊社が自転車用の発電機として開発したマジカルロボの技術を保有していた。その技術を応用して研究を進め、最終的にはその基礎技術を生かしながら、JUPITER2、JUPITER3を経て、まったく新しい発電機が開発されJUPITER4に搭載された。マジカルロボの技術は、小さな力で明るい照度を得るための技術開発であったが、今回の水力発電技術は小さな水の力で大きな発電出力を得るための技術が集積されている。
今回、開発した小水力発電装置の核となる新型発電装置の発電機部分の設計・試験製作を担当した。発電実験は茨城県石岡市の協力を得て、この小水力発電装置を同市内の農業用水路に設置して実施した。今回設置した農業用水路は幅2m、水深100mm程度で、「集水加速導水設備」により水量と流速を変化させて実験した。この実験により得られた水力発電の発電性能試験結果を図-3に示す。今回の実験では、最大出力は9.6W、水量0.03m3/s、流速2.0m/sの条件下で回転速度60rpmを確認した。発電量としては、低出力であるが、蓄電池と併用することで、前述の用途に適応できると判断した。発電実験の終了後は、実験地周辺の水田(稲作)の害獣対策のために設置した総延長2.2kmの電気柵に通電実験を継続している。
※こちらのプロジェクトは終了いたしました。
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